大学時代、大学近くの浜に座り、波を音を聴きながら、良く座ったものだ。
良い時には身体を忘れ、自分の存在だけとなる。
ちっぽけだが、愛おしい。そんな感覚に包まれ、涙が流れる場合もあった。
しっかり観て、じっくり耳を澄ます。
演劇の中で培われた観察眼は、いずれ、ライターとなった自分には、インタビューに役立った。
話をしていただくには、今の自分が何を言い、相手の心のどこを押せばよいのか?
そのためには、相手をしっかり観ないといけない。
言葉の間にこそ、その方の真意がある。
その真意に対して、自分の真心を注いでみると、相手の態度が変わる場合が多い。
こう書くと、なんとなく、私が表層だけのおつきあいをしているように思われそうだが、そんな時は、真剣勝負のごとく、誠心誠意、相手と向き合わねばいけない。
だから、不誠実な相手、表層でしか話さない相手の姿勢には特に敏感にもなってしまう。
また、こちらも不誠実では、相手に適当にあしらわれる。
ただ、一期一会とわかっていながら、相手の間合いの中に入るのは、仕事とはいえ、かなり失礼なことではあるが・・・。
実は無言で語る人も多い。
そんな無言を特に大切にしたい。
いつの時代からか?いや、人の性なのか?
妙に言葉を発することが正しいような風潮となった。
ある意味、不安な時代なのだと思う。
多くの人が、自分のことを話すのに一生懸命だ。
そういう人を見ると、思わず、大丈夫だからと声をかけたくなる。
言葉で埋め尽くす演劇は簡単だ。
しかし、間や沈黙の多い演劇は、実に難しい。
ただ、やはり、その間や沈黙に言葉以上のメッセージが内包されているものだ。
だからか、沈黙を守れる友にこそ、真の安心を感じるのかもしれない。
0コメント